原料倉庫及び黒糖溶解タンク室

原料となる米と黒糖はここに搬入される。
米は米貯蔵タンクより上部層にある自動製麹装置へパイプラインにより吸い上げられる。
黒糖は2基の溶解タンクで高温の蒸気で溶解した後、25〜30度に冷やして三次仕込まで待機。旧工場にはない広いスペースを確保したことにより、搬入から作業の流れが効率的に進められるように設計されている。

■米貯蔵タンク
  基数 : 1基  容量 : 2,000L
■黒糖溶解タンク
  基数 : 2基  容量 : 各2,000L

河内式 自動製麹装置

旧工場で行われてきた洗米・蒸米とその後の麹棚に移動して菌を培養する棚盛の、2つに分かれていた工程を一括して管理できる装置。ドラム内部で米貯蔵タンクから吸い上げられた原料米を水に浸積させ洗米を行い、水切り後に蒸しに入る。蒸米が終わると麹をかけて33〜34度の一定の温度を保ちながら2晩寝かすという3日間の作業となる。装置はコンピューター制御されているので温度や湿度を一定に保つ環境を常に維持、管理することが可能。これにより安定した高い生産能力を発揮できる。

基数 : 3基  容量 : 各900kg

一次仕込みタンク

自動製麹装置で麹菌を培養させた米を、装置のある上部層と一次仕込みタンクをつなぐ管を使って移動。そこへ地下120Mから湧き出る天然硬水[じょうごの水]をパイプラインを通して当工場のタンクへ入れ、仕込みを行う。

基数:12基+予備2基  容量 : 各2,800L

二次・三次仕込みタンク

工程3で造られた一次もろみを二次・三次仕込みタンクへ移し、黒糖溶解タンクよりパイプラインで汲み上げられた黒糖液を加え、約2週間かけて熟成・発酵させ二次もろみを造る。菌の活動のために常に一定温度を保つよう冷却装置を装備している。

基数:26基+予備2基  容量 : 各7,800L

河内式 常圧・減圧兼用蒸留機

熟成された二次もろみはここで蒸留される。1基に対し3,000Lの蒸留を1日2回することが可能。2基を同時稼動させ1日に計12,000Lの二次もろみを蒸留。そこから抽出される原酒は12,000Lに対し約5,000Lとなる。常圧でも減圧でも稼動するきわめてシビアな設定に基づいて設計されたこの蒸留機は、沸点100度前後の常圧蒸留で作られる独特なコクと旨みのある焼酎から、沸点42度前後の減圧蒸留でできる乙類の焼酎としては極めて純度の高いまろやかな味わいの焼酎まで作り上げるという、2つの抽出方法を巧みにこなす万能さと常に安定した味と香りを正確に再現できる緻密さを併せ持っている。

基数 : 2基  容量 : 各3,000L

検定タンク・冷却タンク

蒸留後の原酒には油成分が多く残っているため、冷却タンクで5度まで温度を下げる冷却・濾過をし、上部に浮いてくる油成分を丁寧かつ丹念に取り除く。
検定タンクでは精製された原酒のアルコール度数を測るほか、杜氏やその他の蔵人たちが味や香りをチェックする。蔵人たちの優れた味覚や嗅覚が最大の頼りとなる工程である。

■検定タンク
  基数 : 10基  容量 : 各10,000L
■冷却タンク
  基数 : 2基  容量 : 各10,000L

樫樽貯蔵庫・貯蔵タンク

検定を終えた原酒は、ステンレス製の貯蔵タンクへ移され1〜2年間熟成させる。熟成中は撹拌をくりかえし、酸素を与えガス抜きを行い味を安定させる。”浜千鳥乃詩-原酒”は7年間完全熟成させ割水を1滴も加えない純蒸留酒。”高倉”は3年以上熟成した原酒を、さらに樫樽で琥珀色に熟成させる。

■樫樽
  個数 : 500個  容量 : 各470L
■屋外タンク
  合計 : 28基

割り水タンク 詰め口タンク ビン詰め

貯蔵・熟成を終えた原酒は、25度・30度などの製品として出荷するために割り水を加える。
この時使用する割り水には、天然硬水[じょうごの水]を逆浸透膜を通し不純物を取り除き軟水としたものを使用する。これにより焼酎本来の味だけが引き出される。ビンは徹底した衛生管理のもと、別室に設置されている洗ビン機から消毒・洗浄され、ビン詰めラインに自動的に運ばれ、詰め口タンクからパイプラインを流れてくる焼酎がここで注入される。最後にラベルを貼り商品として全国に出荷される。

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