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黒糖焼酎の歴史

黒糖焼酎は、奄美の島々で生産されるアルカリ性自然食品、黒糖を主原料とし、南国の澄んだ空気と奥深い森の深層から湧き出る自然硬水によって生まれる、まろやかな風味の焼酎です。もちろん、黒糖を用いているからといって甘いわけではありません。奄美ではお酒といえば黒糖酒のことを指すほどに本格焼酎として人々に愛されているものです。

黒糖酒のルーツはインド・タイと言われ、産地によって原料は異なるものの、やしの実、さとうきび(黒糖)、米を原料として蒸留酒が作られます。この製法が約500年前に沖縄に移入され、その後奄美に伝来して製法技術に幾多の改良工夫が加えられ、現在の黒糖焼酎が生まれたと言われています。

ところで、奄美大島は、琉球王朝の支配下の時代に始まり、薩摩、アメリカと、絶えず時代の流れに翻弄され、苦労を重ねてきました。そうした歴史的背景の下、昭和28年の日本復帰に際し、奄美の黒糖酒は、黒糖が原料ということで日本酒税法上洋酒たるスピリッツに分類されかねないところを、米麹を使うということで、本格焼酎としての安い酒税が特例的に認められました。

奄美の黒糖焼酎が和製ラムとも呼ばれ、他の焼酎に無い独特のフレーバーを持っているのは、このような歴史の裏付けによるものです。

会社沿革

昭和45年 旧名瀬市にあった「末広商会」より製造免許を譲り受け「奄美大島酒造株式会社」として創業
主な製造銘柄:神泉(しんせん)
昭和57年 奄美で最もおいしいといわれる水「じょうご川」を求めて現在の龍郷町へ工場を移転。生産能力年間2400石
主な製造銘柄:神泉、浜千鳥
平成2年 樫樽熟成の商品「高倉」発売
平成6年 前年に起こった日本全体の米不足「平成の米騒動」により、仕込み用の日本米が仕入れられず、この年より使用米がタイ米に変更された。
平成8年 減圧蒸留器導入
平成10年 減圧蒸留の黒糖焼酎「じょうご」発売
平成17年 敷地内に第2工場完成。生産能力年間1万石
平成18年 使用する原材料の黒糖を全て奄美産に限定する。(以前は沖縄産と併用)